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「わたしね、結婚するのよ」美奈はどこか寂しそうに遠くを見つめた。
彼女は僕より二つ若いから、もうすぐ33歳になる。
結婚しても何も不思議なことはない。
むしろ、美人で優しい彼女がなぜ今まで一人でいたのか。
※
少子高齢化が進む中、地方都市では大型の開発事業は少なくなり、街中の再開発事業に活路をもとめていた。
あの頃、僕は仕事が面白くなり、そして自分の裁量の幅も広がり始め、仕事にのめり込んでいた。
ライブハウスで偶然隣り合わせてた美奈とは、感性が一致し一緒にいるとリラックスできる相手だった。
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