闇に棲みつく正体

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保安管理室。 彼女が所属するこの組織はこうした隠語を使われ、表舞台には出ないようになっている。 通称影。紺の制服で闇に溶け込み一瞬で気配を消すことから、いつしか呼ばれるようになった呼び名だ。 影は国政に置いてなくてはならない存在のため、国家公認の組織である。 影が狩るのは怪異だ。異形の姿をした化け物。 そのパターンには大まかに三種類あり、AパターンBパターンCパターンと区別される。 今回空が挑む怪異はCパターンであり、見たことがない形状、攻撃をしてくるタイプの怪異である。 そのため実践経験が多くレベルが高い空が赴くこととなったのだ。 危険度はFからS。国家転覆レベルで特例としてSS。 危険度Bは複数人またはレベルB以上の除霊人が適切とされている。 怪異がこの世界に出現するようになったのはおよそ100年ほど前だが、いまだ原因は分かっていない。 またそれと同時に異能力者も現れた。 能力は人それぞれ、様々な種類があり、今でも解明が続いているが怪異と同じく謎のまま。 その代わり異能力者は怪異に対し絶対的な優位を得る。 例えば急所の位置がわかったり、攻撃力が増したりといったものだ。 異能力にも危険度やレベルがある。 危険度は所有者が制御できない可能性の度合いと能力のレベルが高いほど上がっていく。 レベルは基本的に能力の強さを表す。 異能力のレベルが高いほど怪異に対して優位に立てるのだ。
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