闇に棲みつく正体

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さて、長々と堅っ苦しく説明したが要は今回の敵は攻撃パターンが不明で(こういう怪異をまとめてCパターンと表している)見た目的に背中から手足を何本も生やしているからムカデみたいな動きをするよってこと。 武器はなんでもあり。剣でも銃でもお好きなように。 シュタッと屋根から飛び降りた空は2本のタガーを逆手に構えた。 チャキッ! そう空のタガーが音を立てた瞬間、場を緊張が支配する。 一触即発の間合いの読み合い。空はこの時間が好きだ。 戦闘においては相手の一足一動に意思が込められている。向ける殺意でフェイントをかけ、視線や重心の動きで意識を逸らす。 空の得意技は反転だ。 緊張や警戒を、油断に変えて。余裕や自信を、焦りに変える。 対象は意思や、動いているもの。そこに無機物有機物の違いはない。 これは特別な能力でもなんでもない、単なる空のテクニックなのだから当然だ。 例えば突きつけられた拳銃をどうこうすることはできないけれど、発砲された弾丸の軌道を逸らすことができる。と考えればわかりやすい。 だから今日も今日とて、空は身のこなし方、タガーの持ち方、視線表情姿勢、相殺する殺気を調整し、敵を欺く。
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