第10話 クラスの友達

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第10話 クラスの友達

次の日、 ドキドキしながら学校に登校する。 私は、先生に怒られるんじゃないかと心配していた。 一時限目、二時限目・・全くそんな事は無かったのだけど。 「ねえねえ、昨日どうしたの?」 クラスメートから突然話しかけられた。 隣の席の眼鏡女子、今井さんだ。 やっぱり急にいなくなったのは気にしていたみたいで。 「体調悪くなって帰ったとか?」 「えっと・・まぁそんなところかな」 「そうだったんだ。無理しないほうが良いよ」 ほとんど話したこと無かったけど良い人だなぁ。 「日下さ、今日掃除当番変わって欲しいんだけど・・当然変わってくれるよね?」 川浦さんがいつもの様に言ってきた。 私をジロっと睨んでる。 「私、用事あるので。他の人に頼んでください」 私ははっきりと断った。 「な、逆らったらどうなると思って・・」 川浦さんは逆上している。 「また、仲間呼ぶんですか?」 私は冷静に川浦さんを見た。 不思議と怖さは無くなっていた。 「いい気にならない事ね!」 バン! 川浦さんは机を叩き、何処かへと行ってしまった。 「日下さん・・凄い・・」 今井さんが呟いた。 「ねえ、良かったら友達にならない?」 **** お昼休み・・いつもの花壇の所で、二人してしゃがんで茶トラの猫を撫でていた。 この瞬間が最近の大好きな時間だ。 「良かったね。クラスで友達が出来たんだ」 島村くんはとても喜んでくれた。 「それじゃあ、僕と友達はもういいよね?・・日下さん、僕とお付き合いしてくれる?」 「うん。良いよ」 私も島村くんの事は好きだと思う。 友達として好きなのか・・まだよく分かっていないのだけど。 「私も島村くんの事好きだもん・・たぶん」 「そっか・・じゃあこれからもよろしくね」 私と島村くんは握手を交わした。 何だかくすぐったい気持ち。 これから、少しずつ関係が変わっていくのかな。 *** 早紀の家にあたしはお邪魔していた。 「思っていたより早かったね~」 「由梨、ホントそれな」 あたしと早紀は、今日も一緒に遊んでいた。 姉の由美と早紀の兄が付き合い始めた。 もっと時間がかかるとあたしたちは思っていたのだ。 「奥手だからなぁ、兄ちゃん達もっと時間かかるかと思ってたよ」 「それ、あたしも思ってた」 テレビゲームをしながら会話をしていた。 目はテレビの画面を見ながら、手でコントローラーを動かしている。 ゲームが早紀の家にしか無いのもあるけど。 ゲーム機があるのは、やはり男の子の家だからだろうか。 家にも一台欲しい・・最近思うようになった。 『ドドーン』 効果音が流れる。 因みにシューティングゲーム(銃で撃つやつ)をしている。 「あ、死んじゃった」 「親に言えば買ってもらえるかな・・」 「どうだろ?」 姉たちの事はもういいや。 あたしは、親に何とかゲーム機を買ってもらえないかと真剣に悩んでいた。
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