第8話 校舎裏

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第8話 校舎裏

翌日登校すると、川浦さんに話があると学校の校舎裏に呼び出された。 夕方になり日が落ちてきて、段々と寒くなってくる。 嫌な予感がしてたんだよね。 これってやっぱりあれかな。 小学生の時、私はクラスの人たちから一斉に無視されたことがある。 それから友達を作るのを止めてしまった。 その時の事を思い出していた。 「ワタシが言いたいこと分かってるよね?」 川浦さんを筆頭に、数名の女子と男子に取り囲まれている。 この人たちは同級生なのだろうか? 見たことが無い人たちだった。 目をギラギラさせてちょっと怖い。 「島村と仲良くしやがって・・小学生の頃から何にも変わってないのな」 川浦さんは、冷たい目で私を見下している。 「もしかして、昔クラスの人が無視したのって・・」 「今頃気づいたの?遅いね~。まあ、今回もそんな感じで・・」 「ねえ、この子何してもいいの?」 茶髪でチャラそうな男子が私に近づいてきた。 髪を触られる。 「割と可愛い顔してるじゃね。殴るのは可哀そうだし、好きにしていいか?」 茶髪の男子は舌で口の周りを舐めた。 「やっちゃって」 川浦さんはニタニタ笑っている。 私いったい何されるの? 怖い! 『『誰か助けて!!』』 私は思いっきり心の声で叫んだ。 バサバサ・・・ガサガサ・・ 辺りから一斉に何かが集まって来た。 数十匹の野良猫とカラスが現れ、川浦さん達に襲い掛かかる。 野良猫は飛び掛かって腕などを引っ搔き、カラスは口ばしで頭を攻撃しはじめた。 「ヒィッ」 「な、何だこいつら??どこから現れた?」 「痛っ!爪で引っかかれた」 「血が・・血が・・」 必死で頭を抱えて逃げ回っていたが、執拗に攻撃をされて逃げて行く。 「はぁはぁ・・日下さん?大丈夫?」 島村くんが、息を切らせて走ってきた。 肩で息をしている。 「・・クラスの連中が様子が、何かおかしいって聞いて・・」 私の周りには野良猫が数十匹、カラスも何十羽いた。 先ほどとは違い、だいぶ大人しくなっていて猫たちは毛づくろいをしている。 島村くんは周りを見回して驚いていた。 「どうなってんの?これ」 野良猫とカラスに取り囲まれている状況。 ちょっと異様な雰囲気だろう。 カラスも近くで見ると結構大きいし。 「内緒にしてね?」 私は口元に人差し指を当てた。 「さっき、川浦さん達に襲われそうになったんだけど、”助けて”ってテレパシーを送ったらみんな助けに来てくれたんだ」 「そ、そうなんだ」 島村くんは(うつむ)て、ガタガタ震えていた。 そうだよね・・怖いよね。 せっかく好きって言ってもらったのに・・もうだめなのかな・・。
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