第五話

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 春。出会いと別れの季節。  卒業式が終わり、学校の外では写真撮影が行われている。涙を流す家族や笑顔の生徒。その中に、遠藤と近藤の姿があった。近藤の家族と思われる男女も見えた。  近くで、里中とお別れの話などをしていた山田は、聞き耳を立てる。  「遠藤の両親は来ないの?」  「ああ。ウチは忙しいから」  と、遠藤は後頭部に手を当てて、平気そうに答えた。  「なんか寂しいね。せっかくの卒業式なのに」  「いいよ、別に。もう中学生だし。それより、本当にいいの? これから近藤の家に行って」  「うん。いいよね、お母さん?」  「もちろん、いいわよ」  「だって。お昼、一緒に食べよう?」  「じゃあ……お言葉に甘えて」  「ふふっ。なにそれ。ぎこちない」
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