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Chapter.0 予告編
聖騎士アレッシオは、五英雄のリーダーでもあった。だがそれは結果論だと、彼自身は思っている。そもそも、五英雄と祭り上げられてはいるがそれは勝利できたからだとアレッシオも、他の四人も良く知っている。
カルミネは商家の次男、ミアハは鍛冶屋の息子で、五人の中でも一番身分の高いラファエレでさえ侯爵家の四男で後継者争いにならないよう出家させられている。非公式だがスピネルも貴族の子で、双子だったが故に命と引き換えに名を捨てることになった。
そして自分は、父親の分からぬ一使用人の子供だ。要は、いつどんな風に野垂れ死んだところで誰も困らない存在。故に体よく前線に放り出されただけのこと。運が良かったのか、悪運があったのか、それともメンバー間の相性が良かったのか。五人は生き延び、代え難い戦果を挙げたのだ。
アレッシオの胸の底にはずっと、燻っている復讐の炎があった。その炎に掻き消されそうになる思いもあったが、それは何時しか復讐心に焼かれ、歪んでいった。彼自身、自覚はあったが、別にそれでもいいと思っていたのでその辺りは流れに委ねていた。
彼にとって大事だったのは、何より復讐である。
To be continued…
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