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「月葉、どうしたの? ぼーっとして」
ハッと我に返る。いけない、綺麗な庭園でお菓子をいただきながら、昨夜のことを思い出してしまってた。でも今は本当に幸せなんだもの。許して欲しい。
「……あのね、私たち、婚約したんだなぁって思うと嬉しくて……」
ネックレスに触れながらそう言うと、悠李も嬉しそうに笑った。
「そうだよ。もう月葉は俺の婚約者。婚約者っていい響きだな……東京に戻ったらお父さんにも報告しなきゃ」
「父は悠李を気に入ってるし、諸手を挙げて賛成してくれるわ。だから次は私が、悠李のご両親にご挨拶しなきゃね」
「そうだね。早めに話しておくよ。ちなみに前にも言ったけど俺次男だから、英の姓に変えることも全然平気だよ」
「あ……」
そうだ。結婚となると、そういういろんな決め事をしなくちゃならない。そしてその前に、悠李のご両親に私が気に入ってもらえるかどうかが、急に心配になってきた。
「大丈夫だよ。うちは普通の家庭で継ぐべきものも何にもない。それに、気に入ってもらえなきゃ結婚できないなんてことないから。結婚って二人でするものだし、俺が決めることに口出しはさせないから安心して」
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