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そして月日は流れ……私のお腹の中には愛の結晶がいる。ようやく安定期に入ったところだ。両家に喜ばれ待ち望まれている赤ちゃん。会える日を楽しみに待っている。
「月葉、支度できた?」
「ええ、できてるわ」
「じゃあ行こうか」
悠李は相変わらず私を甘やかしている。
つわりの時も食べられるものを探してほんとにいろいろと頑張ってくれたし、つわりが終わってからは栄養バランスを考えて食事を作ってくれる。
産休まで仕事を続ける予定の私を、職場までこうやって毎朝車で送ってくれるのだ。
「ねえ、どうして悠李はこんなに私を甘やかしてくれるの?」
「もう手放したくないからさ。でろでろに甘やかして、絶対に俺から離れられないようにしておかないとね」
それなら、その企みは成功している。だって私はもう、あなたのいない人生なんて考えられないもの。
「今日の夕ご飯は冷凍しておいた水餃子入りの、野菜たっぷりスープにするね」
「ありがと、悠李。大好きよ」
そう言うと悠李は目を細め嬉しそうに笑った。
(完)
※ 最後までお読みいただきありがとうございました!
番外編をスター特典で公開しています。
美音、真吾、陽菜のその後です。
そちらもぜひ、お読みください!
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