12人が本棚に入れています
本棚に追加
講義が終わり、建物の外へ出たら
土砂降りの雨が僕たちを待ち受けていた。
「今日、雨降るって天気予報で言ってた?」
川瀬に訊かれ、静かに首を振る。
「折り畳みならあるよ。それとも戻る?」
「傘、開いて。歩きながら話そう」
川瀬に言われるがまま傘を開くと、
川瀬は僕の肩を抱いた。
「あ、」
そう。
ずっとこんな風に触られたかったのに。
僕は今日、川瀬に別れを告げる。
震え始めた僕に気づき、川瀬が問いかけた。
「寒いの?大丈夫?」
「大丈夫」
最初のコメントを投稿しよう!