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背後には、アイの気配。
「だから掃除途中だって言ったじゃない」
吐くものがなく、ただ、ひたすら胃液を出すしかない。
血で染まった風呂場で吐瀉物にまみれる俺に、アイが冷ややかに言う。
「まだ、生姜焼き残ってるよ。ちゃんと全部食べてあげないと、リナちゃん化けて出るよ?」
「それとも………」と、彼女は続ける。
「カズヤも生姜焼きになりたい?おいしく調理出来る自信あるよ、私」
風呂場の鏡越しに見たアイの右手には、大きな包丁が握られていた。
「う、わぁぁぁぁぁぁ―――…」
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