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「あー…先にシャワー浴びていい?汗でベトベトなんだよ」
汚れた作業着をテキトーに脱ぎ捨てた。
それを「もう……脱ぎ捨て禁止」とか言いながらアイが拾う。
「悪いけど、お風呂掃除途中なんだよね。後にしてくれない?ご飯も冷めちゃうし」
「はぁ?………ったく、掃除終わってから飯作れよ」
「はいはい、ごめんごめん」
文句を言う俺を軽くあしらいながら、アイは俺の作業着を洗濯カゴに押し込んだ。
仕方なく、部屋着のTシャツと短パンを着込み、テーブルの前にドカッと着座する。
「んじゃ、いただきます」
「どうぞ召し上がれ」
箸を持った俺をアイは満足げに見詰めてきた。
「お前は食べねーの?」
「うん、食欲なくて」
「ふぅん……」と、返してから生姜焼きを口へと運んだ。
咀嚼もそこそこに喉へと押しやり、もう一口口に含む。
「臭みが気にならないようにうんと生姜を効かせたの。どう?おいしい?」
アイが覗き込むようにして聞いてきた。
「ん………生姜効いててうまい……んだけど、これって……豚肉?何か違わない?」
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