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「リナちゃんが食べたいって、LINEやり取りしてたじゃない」
「っ、?!」
完全に箸が止まる。
血の気がサーッと引いて、悪寒がし始めた。
「………携帯……見た…?」
アイは俺の問いには答えずに、静かに立ち上がった。
きっと悪い冗談だ……
アイは、俺を追い込んで、青ざめている姿を見て楽しんでやがるんだ…
……にしても、その冗談、笑えなさ過ぎだろーが。
冷や汗を垂らしながら食べ掛けの生姜焼きを見詰めていると冷蔵庫の開閉音が聞こえた。
「顔色悪いよ?疲れてるみたいだね。ミネラルと鉄分摂った方がいいよ」
「これも食べなよ」と、アイがテーブルに並べたのは、もずく酢とトマトジュースらしき物……………
「………ひっ…」
思わず後ろに仰け反ったのは、もずく酢だと思った物がそれではなかったから。
「こ、ここ………これって…」
やや茶色がかった、細い髪の毛。
勿論、見覚えがあった。
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