嫌いになって。

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いつ頃からだろうか。 大好きだった筈の誰かが 大嫌いに生まれ変わった。 記憶から消したい程に。 一緒にいると楽しかった。 苦しさも薄れて。 他に何もいらない気がした。 それなのに。 好きなものが合わなかったから。 気持ちがぶつかったから。 強制されるのが癪にさわったとか。 そういう小さな積み重ね。 なんてことのないすれ違い。 それだけだったのに。 信じられなくなってしまった。 彼女の友達が 私の友達を傷つけていたこと。 いつまでも遠慮して 変わろうとしないところ。 裏切られた気がしたから。 気付けば。 いつの間にか見限っていた。 今更言っても遅いだろうが。 アレはもっと自由に生きてよかった。 その権利があったと思う。 親との仲が良くなかったこと。 疾患とともに生きてきたこと。 同情を引く要素はいくらかあって。 まんまと私もそれに釣られた。 だが。 彼女が悪くないことはない。 私に何も言ってくれなかったのだから。 だが、私も悪いところがあった。 彼女に話を聞かなかったのだから。 手を取り合おうとしなかったのだから。 お互いが悪かった。 そんな恋の憐れな末路。 真実を知ることもなく。 いつしかあいつが嫌いになって。 疎遠になって。 関わらなくなった。 あの横顔も。 笑い声も。 あの日の 接吻の雰囲気も。 忘れたい記憶になった。 愚かな私の 間違った思い出。 愚かな私の 傷つけたままの思い出。 忘れられますように。 そして。 反省をいつか 生かせますように。 教訓として、心にしまった。
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