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第2話 晩餐会の夜
人間と魔族との戦いは、数百年に渡って続いてきた。歴史書には「いつしか現れた魔族たちが、人間の生活を脅かすようになった」とある。
自在に魔法を操る魔族は、人間にとって脅威そのものだった。
現在魔族たちは、大陸の南端に位置する半島に自分たちの国を作り、ほかの国々とは停戦状態にある。
パンデリオ王国は魔族の国と隣接する唯一の国だ。魔族の侵攻を食い止める英雄の国と言えば聞こえは良いが、要するに盾だ。ほかの国から援助を受ける代わりに、一番危険な役目を負わされている。
そんな国に生まれた聖女の存在は、それはそれはありがたいものだっただろう。世論は一気に魔族との全面戦争へと傾いた。
聖女がいれば魔族になど負けない。魔王など討ち滅ぼすことができる。そうして各国からせっつかれたお父様は、魔王討伐に乗り出すことに決めた。
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