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偽善かどうか考えなくていい
今日も今日とて場末の飲み屋のカウンターにて有賀沙月先輩のありがたいお話を聴きながら酒を飲んでいる真島一人呼んでマジメくんはほぼ毎日飲み歩いている自分は本当にマジメと言えるんだろうか?という疑問が浮かんだが目の前の先輩の傍若無人な顔立ちを見るとそんな事はどうでもよくなった。
また乾杯して、グビリと呑もうとした時に昼間の出来事を思い出してこの先輩ならどう言うか興味がもたげて来た。
「あのーガサツ先輩」
「なんや?」
「え?関西弁?」
「せや、わるいか?」
「い、いえ、はじめて聞いたので、あれ?出身関西圏でした?」
「んなもんはどうでもええ、今日は関西弁の気分なんや、なに?関西圏出身ちゃうと関西弁つこうたらあかんのか?そういう法律か?」
「い、いえ、違いますけど」
「ほな、ええやないか、てか、なんや相談があったんちゃうんか?」
「え、ええまぁ」
関西弁が気になって聞けないとは言えずに話し出す。
「実はほら、昼間コンビニに寄った時に募金の箱が置いてあったんですよ」
「ほいで?」
さんまさんかよ!とつっこみたくなる衝動を堪えて話を続けた。
「ほい…それでですね。その時に募金したい、て気持ちが湧いて来たんですけど、これってなんか偽善だと思われたりしないかって不安になって募金できなかったんです」
「はぁ」
「どう思います?」
「しょうもな」
「え?」
「しょうもな銀行閉店やわ」
「え?どういう、、」
「意味なんかない!それくらいしょうもないってことや!」
僕は先輩の迫力に押されて二の句が継げなかった。
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