雪の降る日にいつも君は

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 君と話したいけれど、君と話すのは怖い。きっかけを作りたいけれど、きっかけになるようなものがない。  わざとハンカチでも落としてみようかなと考えて、どうやって君に拾ってもらおうかと考えながら、待ち時間の間ポケットの中に手を突っ込んでいたこともあった。でも、やっぱりずるいよなあ、と思って手を突っ込んだままでいた。  電車がホームまで来たときにそのままポケットに手を突っ込んだままでいたからか、つまずいてこけてしまい、大恥をかいたのは苦い記憶だ。君に見られていたかもしれないと思うと、余計に君に声をかけるのをためらわれるのだ。今も。
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