雪の降る日にいつも君は

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 何故僕が見ず知らずの君を心に留めることになったのかといえば、雪が降る日にいつも君は、駅のホームに現れるからだ。  それに気づいたのは、高校一年生の冬。毎日この駅から電車に乗って三駅隣の高校まで行くのだが、君は必ず雪の日になると現れる。  見たところ僕と同じ高校生くらいに見える。けれども、いつも私服なので、見た目よりもしかしたら年上なのかもしれないが。本当は「君」なんて馴れ馴れしく呼ぶべきじゃないのかもしれないが。確かめる術などないので、僕は勝手に君を同い年の高校生と決めつけている。制服のない高校だってあるし。
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