らぶ

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「チッ…こい。」 晴人くんに腕を掴まれる。 「え?、」 苛立ちを隠せない様子の晴人くんは、引っ張っる私のことなんて気にもとめず人ごみをすごいスピードでかき分けて進んでいく。 「晴人くん!痛いよっ、」 その声を聞いてか立ち止まる晴人くん。 こんなに苛立ってるなんて珍しい。 「…あいつ、お前の彼氏?」 「ち、違うよっ、」 「…じゃあ新しい好きな人?」 今日初めて合った瞳は、大きく揺れていた。 どうして。 胸がぎゅうと苦しくなる。 「は、颯は!ただのいとこだよ!」 「……は?」 驚いたのか、動かなくなってしまった晴人くん。 腕を握る力が少し弱まったような気がした。 「いとこって分かる?!颯の場合はお父さんの弟の息子なの!」 「んなこと分かる。」 晴人くんがあまりにもびっくりしているから、いとこが何か分からないのかと思っちゃった。 冷静に考えればそんなわけないよね!
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