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「おまえ、」
晴人くんが何か言いかけた時、
遅れて理解できたこの状況。
香ってくる晴人くんの匂いと、この密着。
ドドドドとうるさくなる心臓の音。
久しぶりの晴人くんの声と、交わった視線。
久しぶりに感じる晴人くんにしては、私には刺激が強すぎて、
「…た、」
すごい力で晴人くんを突き飛ばしてしまった。
「あ、…いや、違くてっ、ごめん…」
やってしまったと思った時には、もう遅かった。
「そーかよ。関わって悪かったな。」
その言葉を残して、去って行ってしまった。
消えそうな呟くような声。
何を考えているかわからない目。
…どうして押し退けちゃったんだろう。
助けてくれたのに。
悔やんでも悔やみ切れない。これで確実に晴人くんに嫌われてしまった。
「ゔぅ…」
もう何が何だかわからなくて、心も体もボロボロで涙がとまらなかった。
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