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それから3年間猛アタックしたけど、全滅。
名前を覚えてもらうのに一年、話しかけて応答してくれるようになるのに一年。
気がつけば3年生になっていて、晴人くんが地元の進学校へ受験するという情報を裏ルートから入手した。
「追いかけて受験されるのとか怖いわ〜」
「そ、そんなの!彩奈だってそうじゃん!」
彩奈とは小学校からずっと一緒。
「芽衣みたいな下心丸出しな理由と一緒にしないでよね!私は弓道がしたくてここに来たの!」
「……矢なんて打って何が楽しいんだか」
「……あんた。私があれだけ勉強教えてあげたから今ここにいるんだよね?」
そう言って、ほっぺを片手で握られる。
…結構な力!!
確かに中の下と進学校に行くには壊滅的だった私の成績を見て、ずっと勉強を教えてくれたのは他の誰でもない彩奈様だった。
「ご、ごめん…なしゃい、」
その言葉でやっと解放される頬。
…痛かった。
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