愛は、一夜限りの嘘。

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些細な意地から5年。 近所住みとはいえ疎遠になっていた川瀬と こんなタイミングで再会するとは。 川瀬は俺をまっすぐ見つめながら、 言葉を紡ぎ出す。 「元気だった?」 「はい。川瀬さんもお元気そうで」 「マッチングサイト、結構使ってるの」 「はい。でも数えるほどしか会ってないです」 何となく嘘をついた。 少なくとも、20人とはSEXしている。 「俺は初めて。彼氏と別れたんでね」 「そうですか」 僅かな沈黙。 川瀬が小さく笑った。 ああ、愛おしい。
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