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川瀬がどこで誰と愛を確かめ合っていても、
俺がどこで誰と一時の愛を交わしていても、
お互いの人生には何の支障もなかった。
あの日以来、
決して交わらないと思っていたのに。
川瀬と肌を合わせたら、錯覚してしまう。
いつか川瀬が俺に振り向いて、
川瀬に恋人として、愛される。
そんな日が来ることを。
「川瀬さん‥‥愛してるって言って」
「ああ、何度でも言うよ‥‥葵、愛してる」
唇を貪り、川瀬をカラダの奥深くで
感じながら、俺は願う。
川瀬と再会したこの夜が、
悲しい終わりを迎えませんようにと。
俺と彼の時間は、静かに始まったばかりだ。
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