山茶花

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救急車は結局来なかった。 代わりにお巡りさんと刑事さんが来た。 簡単な現場検証、父親のアリバイ確認。 私達にも昨日の父親の行動など別々に 聞かれた。 事件性はなく、どう見ても自殺だったので 簡単に処理は終わった。 一人の50代位の刑事さんが私の所へ来て話しかけた。 「あんたがお姉ちゃん?」 「うん。」 ふーと息を吐き。下の弟に目をやる。 「これから大変だろうが、アンタがしっかりしなよ。がんばれ。」 と一言だけ告げ去っていった。 不憫に感じてくれたことに有り難いな。父よりも他人のおじさんが気に掛けていてくれるなんて…。 家族って一体何なんだろうと思った。
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