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誰にも言えねぇが、杏珠に鍵を解除する仕方を教えたのは、俺だ。
「どうやって脱走したんだろう?」
「分からねぇ」
エレベーターに忍星、煌希、大牙と乗り込んだ時、そんなやり取りをしているかのは、煌希と忍星。
「烏、あんちゃんを怒るのか?」
「怒る必要はねぇ」
「なら良かった」
忍星と煌希と大牙を誤魔化すのは簡単だが、煌牙は違う。
探偵の如く推理をして俺に辿り着くだろう。
まぁ、そん時は素直に認めるが、甘やかし過ぎだと叱るかもな。
自分でも杏珠に甘いのは認めている。
羽生にだって鍵を解除させる事を教えたが、羽生は、それを行動に現さねぇくらい、慎重派だ。
それに杏珠と違い、黙々と知恵の輪をする羽生は、玲に似ているところもある。
娘が2人居ても、それぞれ性格が違うって事だ。
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