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「この太い縄を引くの?」 「てめぇは持ってるだけで良い」 「どうして?」 「勝つからに決まっているからだ」 烏が勝つと言えば勝つのだろう。 だけど、やっぱりみんなと同じ事がしたい。 烏は杏珠を抱いていても片手で綱を持った。 その前に私も立ち、綱を両手で持ち、腰を低くする。 拓海がホイッスルを鳴らすと同時に、『気合いを入れろ!』と言った烏が、私の腰に手を回した。 「後ろに引っ張れ」 烏の言葉を聞いて、綱を後ろに引っ張っていく。 直ぐに、私の身体を片手で横にズラした烏。 芋ずる式で大和や涼が後ろへと来た。 結果、綱引きは黒組が勝ったようだ。
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