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足を進め烏が作ったと言う小さな家の傍に行き、中を覗くと羽生と杏珠がままごと遊びをしていた。 きっと小さな家が完成する前に、烏が買ったのだろう。 普段、言葉数の少ない羽生だけど、杏珠と2人で居る時は、それなりに話しをする事を私は知っている。 傍に来た烏に『あれは?』と聞くと『ボルダリングだ』と教えてくれた。 そこでは煌希と大牙が器用によじ登ろうとしている。 これなら外が雨でも子供達は退屈しないはず。 「煌牙の為に机と椅子が必要かも。それと本棚もね」 煌牙は本を読むのが好きだ。 弟達や妹達を見守りながら、いつも本を読んでいる。 「明日から制作する」 「ねぇ」 「あ''?」 「大和と涼と拓海は知ってるの?」 「何を?」 「烏が小さな家を作った事を」 「さぁな」
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