237人が本棚に入れています
本棚に追加
忍星が持って来てくれた紙皿。
乗せてある肉は、杏珠が食べやすい様に切ってある。
「あんちゃん、ふーふーしてからだぞ」
自分の事より先に杏珠の事を思っている忍星は、そう言ってから、自分の分の紙皿も取りに行った。
BBQにしても焼肉をしても、自分で焼きたい烏は、焼きながら口に入れている。
ふと視線が合うと睨まれたから、クスッと笑うと『ちっ!』と舌打ちをしていた。
離れているからデコピンは免れたみたい。
「蝶、烏が呼んでいる」
そう言って傍に来た煌牙に杏珠を任せて烏の傍に行く。
パチン!
その音と同時に額に痛みが走った事で、烏はどうしてもデコピンをしたかったのだと思った。
「てめぇも食え」
「野菜が良いかも」
「あ''?」
そんな会話をしていても紙皿に野菜もしっかり乗せてくれた烏。
こんな時思う。
幸せだと。
最初のコメントを投稿しよう!