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「とー、えんえんだね」
私は子供らしい遊びをした事がない。
だから、杏珠と人形で遊ぶ事が出来ないから、泣き真似をしているのだと思えた。
どうしたら良いかと考えていると、烏の声が聞こえた。
「杏珠、来い」
「やーよ」
「あ''?」
「やんのか?」
「てめぇ」
「ちぇめぇ」
「ちっ!」
烏と杏珠のやり取りを聞いて口元が緩む。
『玲』と呼ばれ杏珠を抱いて後をついて行くと、奥の開き戸を開けた。
何の部屋だと思っていたら、杏珠でも遊べる場所になっている。
手を離した杏珠は、トランポリンを見つけ、ぴょんぴょんと跳ねているから、見ている私も楽しくなる。
「まだ完成じゃねぇが、杏珠だけなら遊べるだろう」
「ありがとう」
「まだこの地下2階には玲に教えてない部屋もある」
「5階の広さと同じなら、見てない部屋があっても不思議じゃないよ」
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