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煌牙に針金で鍵を解除する方法を教えていたのを忍星は見て覚えた。
まだしっかり話せない杏珠だけど、9月になれば6歳になる。
5歳の杏珠が忍星の真似をして脱走した。
煌牙の様に狼が出る絵本を使いエレベーターのボタンを押したのかも。
そして気づいた。
羽生と一緒に居る時の杏珠はしっかり話せる事に。
不意に腕を捕まれ、ビクッとした私と僅かに口角を上げた烏。
「見つけに行くんだろうが」
「簡単に見つからないと思う。杏珠はかくれんぼが得意だから」
「あ''?」
「みんなが帰って来る前に見つけられるかな?」
パチン!
「痛ッ」
久しぶりにデコピンを喰らった私は、額を摩る。
やはり烏のデコピンは痛い。
1階についてから、リビングに行くと拓海だけが居た。
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