(9)

19/22
前へ
/578ページ
次へ
誰にも言えねぇが、杏珠に鍵を解除する仕方を教えたのは、俺だ。 「どうやって脱走したんだろう?」 「分からねぇ」 エレベーターに忍星、煌希、大牙と乗り込んだ時、そんなやり取りをしているかのは、煌希と忍星。 「烏、あんちゃんを怒るのか?」 「怒る必要はねぇ」 「なら良かった」 忍星と煌希と大牙を誤魔化すのは簡単だが、煌牙は違う。 探偵の如く推理をして俺に辿り着くだろう。 まぁ、そん時は素直に認めるが、甘やかし過ぎだと叱るかもな。 自分でも杏珠に甘いのは認めている。 羽生にだって鍵を解除させる事を教えたが、羽生は、それを行動に現さねぇくらい、慎重派だ。 それに杏珠と違い、黙々と知恵の輪をする羽生は、玲に似ているところもある。 娘が2人居ても、それぞれ性格が違うって事だ。
/578ページ

最初のコメントを投稿しよう!

236人が本棚に入れています
本棚に追加