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『ただいま』と言ってダイニングキッチンのドアを開けた煌牙。 成長する度に逞しくなったと思う。 「杏珠が脱走したって?」 大和が教えたんだろう。 なんて事を思っているとダイニングキッチンから仕事部屋に入って行った煌牙。 きっと忍星に聞いているはずだ。 鍵を解除するやり方を教えたかと。 1人1人に話しを聞いても、羽生だけは『知らない』と言い切るだろう。 数分後、ドアが開き、『烏、俺の部屋に来てくれ』と煌牙に言われ、素直にダイニングキッチンから出た。 『揚げ物はすんなよ』と玲に釘をさしてから。 「烏が教えたんだろう?」 「あぁ」 「杏珠は女の子だぞ」 「羽生にも教えたが」 「はぁー、取り敢えず、杏珠には黙って下りるなと言ってある」 「俺は良いと思っている。昼間は1人になる杏珠は、淋しいんだ。それが分かるから自由にさせてやりてぇ」 「蝶には言ってあるのか?」 「いや」 「なら、5階の空いた部屋にも小さな家を作ってやってくれ」 「あぁ」 「みんなには内緒にしておく」
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