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煌牙の部屋を出てダイニングキッチンに移動すると、羽生が椅子に座り知恵の輪をしていた。 「杏珠は?」 「忍星」 それで終わったやり取り。 知恵の輪をしている時は、話しかけられるのを嫌う羽生はマイペースだ。 「煌牙と何を話してたの?」 「5階の空き部屋に小さな家を作ってくれと頼まれた」 「そうだね。そしたら脱走しないかもね」 ガスコンロの前に行き、下味した鶏肉に小麦粉と片栗粉を混ぜた物に馴染ませ、唐揚げを揚げていく。 玲は、ポテトサラダを器に入れている。 どうやら、玲にはバレてねぇみたいだ。 明日からまた忙しくなるがそれも悪くねぇ。 なんて思う俺は予想していた。 5階に小さな家を作っても、杏珠は脱走するだろうと……
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