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3日に1度、杏珠の脱走劇は続いた。
時に地下2階にある小さな家の中に隠れていたり、公園にある象の形の滑り台の下だったり、ゴーカートの倉庫だったり。
他にも色んな場所に隠れているらしい。
探して連れて来てくれるのは、やっぱり大和。
「開閉門の鍵を解除するやり方を教えたのは忍星だったの?」
「ううん」
「なら、誰なんだろうね」
「それを追求するのは止めたの。私達家族は普通の家族じゃないもの」
「確かに」
「ところで杏珠は?」
「煌弥のところ」
「完成が楽しみなんだな」
その日、そんなやり取りをした後、ダイニングキッチンから出て行った大和。
烏がDIYをする事は、もう気にならないみたい。
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