277人が本棚に入れています
本棚に追加
『あっ、みーちゃん』と言った杏珠は、私の傍に来て膝の上に座った。
どうして美里の事を『みーちゃん』と呼んでいるのだろう?
『みー』と呼ぶのは煌牙しか知らないし、忍星も煌希も大牙も知らないはず。
『あんたが知らないだけで、たまに、煌牙が羽生と杏珠と会話させてくれたのよ』
「知らなかった」
「みーちゃんは、おともだちなの」
『そうよ。アタシは杏珠のおともだちよ』
杏珠と会話する美里は、今まで見た事のない笑顔で話している。
こうやって会話を聞いているだけで、私に足りないのは、会話だと分かった。
だから、杏珠はしっかり話せなかったのかも。
杏珠が『みーちゃん、ばいばい』と言った言葉を聞いた時には、リモートは終わっていた。
最初のコメントを投稿しよう!