(10)

20/21
前へ
/578ページ
次へ
「玲ちゃん、とっころもしって?」 「とうもろこしの事」 やっとしっかり話せる様になったと思っていたけど、まだまだの様だ。 「ちなみに、たのきは、ためき。 アイスクリームは、あいむくりーむ。 エレベーターは、えべーたー。 他にもまだまだあるけど、毎日、煌牙が文字を教えているから、小学校に入学するまでに普通に言えると思うよ」 「来年の春には杏珠も小学生だと思うと、少し淋しく感じるのは俺だけ?」 「最近、淋しいと言う気持ちを知ったから分かる。私も烏も淋しいと感じると」 そんな会話をして思う。 玲ちゃんに出会った時とは違い、感情豊かになったと思っていたけど、まだ淋しいと言う気持ちを知らなかったとは。 だけど、玲ちゃんの事を誰よりも理解している煌弥だから、2人の時間も何かを考えているだろう。
/578ページ

最初のコメントを投稿しよう!

236人が本棚に入れています
本棚に追加