(11)

4/26
前へ
/578ページ
次へ
烏の言葉を聞いた私は、身体を起こす。 「てめぇは、此処に居ろ」  私の耳元でそう囁いた後、ベッドから出ると、クロゼットの扉を開け衣類を取り出し、それを着た烏。 「絶対に此処から出るな」 ブランドの上下のジャージではなく、黒ワイシャツに、黒のスーツを着た烏が、私を見据えて言った言葉。 こんな時は、烏に何を言っても駄目な事は、私が1番よく分かっている。 だけど、私は返事をせずに、烏を見据えた。 烏は、それ以上は何も言わずプライベートルームから出て行き、ドアが閉まると同時にガチャリ!と言う音が聞こえた。 しまった。と思うけど、すぐにベッドからは出ない。
/578ページ

最初のコメントを投稿しよう!

236人が本棚に入れています
本棚に追加