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目印にしていた建物や看板がなくなっている。 これでは、三匹の龍を探すと言うより、私が迷子になったみたい。 そんな事を思いながら、公園から出てトボトボと歩く。 街には防犯カメラがある。 その内、烏が私を見つけるだろう。 「なんで、あんたが此処に居るのよ」  その言葉が聞こえ振り向くと、セルシオに乗る美里が、窓から首を出していた。 「なんで、美里が居るの?」 「それは、アタシが聞いてるの。取り敢えず乗りなさい」 美里にそう言われ、セルシオの後部座席のドアを開けて乗り込んだ。
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