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「たまたま、アタシが通ったから良かったけど、あんたは携帯電話を持ってないんでしょ?」 「私には必要ないから」 「じゃ、どうやって帰るつもりだったの?」 「そこまで考えてなかった」 「もうさ、あんたには呆れるわ。 アタシは、煌蓮総本部まで送れないわよ」   「分かっている」   「あんたを駅のロータリーまで送ってあげる。 でも、すぐに連絡しないと、貴島煌弥が暴れるわよ」    美里の言葉に素直に『うん』と答えた私は、今、分かった。 三匹の龍を見つけた烏が、煌蓮総本部に戻り、私が居ないと分かると、それはそれで大変な事になると言う事を。
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