(12)

12/42
前へ
/578ページ
次へ
『乗れ』と言われ、私が乗ったのは、黒のレクサスの助手席。 運転席に乗った烏はエンジンをかける。 「三匹の龍は?」  気になったから、そう問い掛けてみたら、『あ"?』と言われた。 取り敢えず、忍星のように謝ってみる。 「ごめんなさい」  私の言葉を聞いた烏は、私の方をチラッと見ただけ。 でも怒っていない事は、すぐに分かった。 片手で運転する烏。 運転していない手で、私の手を握ると親指で撫でてくれている。 烏に心から愛されていると思える様になった私は、また成長したのかも知れない。
/578ページ

最初のコメントを投稿しよう!

235人が本棚に入れています
本棚に追加