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煌蓮総本部の地下1階の駐車場に、レクサスを停めた烏。 私は、助手席から降りた。 やっぱり、私には煌蓮総本部が1番居心地良いと思える。 外の世界には興味がない。 エレベーターがある方へと足を進める。 そんな私の腕を掴んだ烏は、一気に距離を縮めると、私の腰と後頭部に手を添え、唇に唇を重ねてきた。 何も聞かない烏だけど、凄く心配してくれていた事が分かる。 私が薄く口を開けると、焦らす様にリップ音だけ鳴らして、唇から自分の唇を離した。 「躾のやり直しだ」  そう言った烏は私から離れ、私の腕を掴むとエレベーターに乗り込んだ。
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