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「玲」 「ん?」 「次逃げたら殺る」  他人が聞いたら危ない言葉。 だけど、私には極上の愛の言葉。 「殺られるより、囚われ続けたい」 私の言葉を聞いた烏は、指で5のボタンを押してから、私の腰と後頭部をホールドすると、唇を重ねてきて、一気に舌先を捩込んできた。 何度も角度を変える烏。 そんな烏から、深い愛が伝わって思う。 烏が愛おしいと。 酸素が不足するかも……と思った時に、烏の唇が離れ、2人を繋ぐ銀の糸がプツリと切れた。 「話しだけ聞いてやれ」 それが何を意味するか分かっている。 ただ叱るだけでは駄目。 聞いてみるのが大切。 どうして学校を脱走したのかを。
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