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誕生日と命日。 生と死。 覚えているのは、蝶が叫んだ言葉。 『駄目!そこに源さんを入れないで!』 『駄目!捨てないで!お願い!捨てないで!』 『源さんを捨てないで!お願いだから、そこに源さんを捨てないで!』 思い出しただけで胸の奥が張り裂けそうな気持ちになるが、忍星、煌希、大牙、羽生、杏珠に、今は話そうとは思わねぇ。 それぞれが成長した時でも遅くねぇと思っている。 蝶が無事に戻ってきた事で、俺の役目は終わったが、それでも長男として蝶に言わねぇとならねぇ事がある。
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