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ダイニングキッチンに入ると、いつの間に買ってきたのか、肉の塊があった。
「時間はかかるが、今夜は煌牙の好きなローストビーフだ」
「サラダを作ろうか?」
「いや」
世の中の奴等は知らねぇだろう。
黒の腰エプロンをつけ、ダイニングキッチンに立つ烏が居る事を。
「悪かったな」
「どうしたんだ?」
「玲が悲しい事を思い出すから、煌牙の誕生日は触れずにいた」
「俺も烏と同じ気持ちだ。
蝶には笑っていて欲しいからな」
「あぁ」
その日、大和と涼と拓海も来て盛大に誕生日を祝ってもらった俺は予想してなかった。
俺が決断した事で、羽生と杏珠に変化が起きるとは……
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