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そんな日々の中、杏珠の言葉数が少なくなっていった。 常に羽生と行動を共にする様になり、それが気になったのは、私だけではなかった。 「あんちゃん、木登りは怖くない?」 お昼を食べた後、忍星、煌希、大牙、羽生、杏珠と一緒に、地下2階に行く為に乗り込んだエレベーターの中で、杏珠に聞いたのは、忍星だった。 聞かれた杏珠は、両手で口を塞ぎ、首を左右に振る。 その姿を見て、それ以上聞かなかった忍星。 でも分かってしまった。 杏珠は羽生が大切だから、話したくないのだと。
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