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『良い機会だから話してあげるわ。 あのね、煌牙は、貴島煌弥と違い、極道の世界から離れて育った。 それは、貴島煌弥が、我が子を極道にさせたくなかったからよ』 初めて聞いた事だから『どうして?』と問いかけた。 『貴島煌弥は、母親の愛情を知らずに育った。 母親からは『若』と呼ばれ、甘える事さえも出来なかった。 そんな思いを我が子だけには、させたくなかったのよ。 だから、貴島組に我が子を連れて行かない。 それに、あんただって、貴島組には連れて行かない。 そうする事で、家族を極道の世界から、遠ざけていたのよ』 美里が何を言いたいのかは何となく分かる。
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