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フルスモークの黒のベンツの運転手は、武だった。 「若、どちらにしますか?」 「裏口だ」 烏の言葉に『はい』と答えた武が、エンジンをかける。 何処に向かうかは、もう分かった。 自分の意志で極道の世界に踏み込んだ……武。 それは、煌牙の側近になる為だと言う事は、烏から聞いていた。 だから、武は、烏を『若』と呼ぶ様になっている。 それを初めて聞いた時は、複雑な気持ちになったのを思い出した。 煌蓮総本部から出て、暫く走ったフルスモークの黒のベンツは、源さんの葬儀の時に来た場所まで来た。 高い塀の前で、フルスモークの黒のベンツが停まる。 すると、シャッターが開き、その中に入って行く。
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