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「若を支えくれてありがとう」  貴島組の屋敷の裏側にあるダイニングキッチン。 そこに足を踏み入れた時に、貴島百合がそう言って私に頭を下げた。 それにどう答えたら良いのか、分からない。 「取り敢えず、お茶を淹れるから座って」 貴島百合が頭を上げて、そう言ってくれたから、靴を脱いで足を進めて、食卓テーブル席についた。 「あの子の事だから、何も話さないで連れて来たんでしょ?」 その言葉に、素直に『はい』と答えた。 烏は『行くぞ』と言ったから、素直について来ただけ。 だけど、烏の行動は出会った頃から変わっていない。
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