(14)

6/22
前へ
/578ページ
次へ
「私は、忍から煌牙君が貴島組を継ぐと決めたと聞いているの。 それについて、あの子が忍に条件を出したのよ」 「条件ですか?」 「そう。条件。 煌牙が貴島組を継ぐと決めたけど、自分は反対だ。 だけど自分は煌牙の意志を尊重したいから、今までのやり方を変えて欲しいってね」 貴島百合の言葉の意味が分からないから、私は首を傾げる。 「自分の嫁は、自分の身を自分で守れる。 だから、煌牙君が母親に会いたい時に、自由に会わせろって言ったらしいのよ。 それに、あの子が私に会いに来てくれた。 その時に言ってくれたの『お袋、玲に教えてやってくれ』って。 初めて、あの子が『お袋』って言ってくれたの」 そう私に話す貴島百合の瞳に涙が滲んだのが分かった。
/578ページ

最初のコメントを投稿しよう!

235人が本棚に入れています
本棚に追加