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「それに、玲ちゃんは、あの子の妻。
だから、忍は玲ちゃんのお父さん。
そして、私が玲ちゃんのお母さんになるのよ。
そうやって繋がっていくのよ。
それに、孫達からみたら、私はお祖母ちゃん。
忍は、お祖父ちゃんになるのよ」
貴島百合の言葉を聞いて、私の心の中は暖かくなった。
『お母さんって呼んでね』と言って、ウィンクする貴島百合。
この人が私のお母さんなんだと思うと嬉しくて、今度は私の瞳に涙が滲む。
親を知らない私が、子供達の親として生きてきた。
そんな私に、お父さんとお母さんが出来るとは、想像していなかった。
それに、貴島百合は、1度も会った事のない忍星、煌希、大牙、羽生、杏珠の名前も知っていた。
多分、美里が話してくれたんだと思う。
それでも、会いたいのだと言う気持ちは、私に伝わってきて嬉しくなる。
我が子を『若』と呼び、会話する事さえなかった貴島百合と烏。
だけど、これからは違うのだと言う事は私にも分かった。
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